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2026.09.11

eスポーツは勝つだけでは成長できない。XENOZが挑む、競技での活躍をファンの熱狂につなぐ循環づくり

eスポーツは勝つだけでは成長できない。XENOZが挑む、競技での活躍をファンの熱狂につなぐ循環づくり
近年、若い世代を中心に広がりを見せるeスポーツ。J.フロントリテイリンググループのXENOZ(ゼノス)も、プロチーム「SCARZ(スカーズ)」を運営し、この新しい市場に挑んでいます。しかし、eスポーツは「ただ勝つだけで人気が出て、人気が出ればビジネスになる」ほど単純ではありません。 そこで、XENOZは、競技での活躍を一過性の話題で終わらせず、ファンとの継続的な関係づくりに力を注いでいます。選手の魅力を伝える動画、ファンと直接つながるイベント、思わず手に取りたくなるグッズの制作まで、SCARZというIPの価値向上につなげています。その循環づくりを担うのは若手メンバーたち。新興市場で「応援され続けるチーム」はどうつくられるのか。その取り組みに迫りました。

執筆:三ツ井香菜 編集:末吉陽子 撮影:寺澤洋次郎

 

XENOZのこれまでの挑戦を追った記事はこちら

 

 

勝つだけでは、チームは続かない。eスポーツにある収益構造の壁


 

──まずは、eスポーツ業界の現状や特徴について教えてください。

 

洞本 宗和(代表取締役社長・以下、洞本):一般社団法人日本eスポーツ協会が毎年発行している「日本eスポーツ白書」によると、市場規模は毎年10%程度拡大し、2026年には200億円を超えると予想されています。ファンも増えていて、2024年は約967万人でしたが、2026年には1,500万人に迫ると言われています。

 

ファンの大半はZ世代やアルファ世代で、とりわけ10~20代にとってeスポーツは身近な存在です。また、eスポーツでは国際大会が当たり前なので、国境を越えてファンを拡大できるのも大きな特徴です。

 

若年層や世界とつながりを持てる土壌があるというのは、J.フロントリテイリング(JFR)グループとの連携や他企業へのサービス提供など、今後の事業の広がりにおいてもすごく強みになると思っています。

 

──eスポーツビジネスは、従来のスポーツとは収益構造も違うのでしょうか。

 

洞本:従来のスポーツビジネスは、チケット販売や放映権、スポンサー収入などの収益がチームやリーグに還元されます。一方、eスポーツの大会は、ゲーム作品やキャラクターなどの権利を持つ企業(パブリッシャー)が運営することがほとんどです。

 

そのため、大会を通じて生まれる収益は基本的にパブリッシャーに入り、チームには還元されません。こうした収益構造の違いが、従来のスポーツとeスポーツの大きな違いの一つです。

 

株式会社XENOZ 代表取締役社長の洞本宗和氏。「勝つことだけに依存しない収益構造と、ファンコミュニティの基盤づくりが不可欠」と語る

株式会社XENOZ 代表取締役社長の洞本宗和氏。「勝つことだけに依存しない収益構造と、ファンコミュニティの基盤づくりが不可欠」と語る

 

──市場が成長していても、チーム経営は安泰ではないわけですね。その中で、SCARZはどのような立ち位置なのでしょうか。

 

洞本:2027年に設立15周年を迎えるSCARZは、日本で3番目に古いチームで、国内大会での優勝をはじめ、世界大会への出場実績も多数持っています。競技で勝つことはもちろん不可欠ですが、勝利だけでチームが持続的に成長できるわけではありません。競技に真摯に向き合いながら、チーム活動を続けられる基盤もつくる必要があります。

 

XENOZは、「選手がゲームで生計を立てられるようにしたい」という思いから生まれた会社です。だからこそ、選手が競技を続けられる環境と、それを支える事業基盤の両方をつくることには、強い思いを持っています。

 

──競技の強さだけでなく、事業としてチームを支える仕組みも必要になるわけですね。

 

洞本:はい。そこで、まず重要になるのがファンのコミュニティ(ファンダム)です。ファンの基盤が大きくなれば、ファン向けイベントへの参加やグッズの購入など、チームを支える動きも広がりますし、ファンダムにアプローチしたいと考えるスポンサーも増えます。

 

さらに、チームの名前やロゴ、選手、コンテンツそのものに共感する企業が増えれば、コラボレーションやライセンスなど、事業の可能性も広がります。私たちは、こうしたSCARZというIPの価値を高める循環をつくっていくことが大切だと考えています。

 

ファンダムの拡大が、事業の可能性を広げていく

ファンダムの拡大が、事業の可能性を広げていく

 

――その起点になるのは、やはり競技での活躍なのでしょうか。

 

洞本:もちろん、競技での活躍は必須です。ただ、活躍を「点」で終わらせるのではなく、そのときの選手の気持ちや葛藤、人間性、そこに至るまでのストーリーを「線」にして届けていく。そうした活動がファンダムの拡大につながると考えています。

 

しかし、XENOZは、これまで競技での活躍をファン拡大につなげる仕組みが、十分ではありませんでした。そこで現在は、動画などのコンテンツ制作やファンミーティング(ファンミ)の開催、グッズの販売などに精力的に取り組むことで、ファンダムの拡大を目指しています。

 

また、2022年にJFRのグループに加わってからは、ゲームパブリッシャーや他チームにない「リアルでの接点」を全国に持てるようになりました。これはXENOZの強みであり、新たな可能性も広げられると考えています。

 

実際、これまで仙台PARCOでは、人気格闘ゲーム「ストリートファイター」のプロ選手とファンが一緒にゲームを楽しめるイベントを開催。さらに、クラブクアトロなどを会場に、選手とファンがリアルに交流する大型イベント「Hype Up」も展開するなど、リアル店舗と連携した取り組みが進んでいます。」

 

 

敗退の先にも、応援したくなる理由を。「THE ART OF WAR」に込めた再建の物語


 

――ここからは若手のお三方に、ファンダム拡大に向けた具体的な取り組みについてお聞きしたいと思います。

 

横地志亮(コンテンツ企画制作部 プロデューサー・以下、横地):2026年7月から、SCARZの公式YouTubeチャンネルで、ゲーム『VALORANT』のプロチーム、SCARZ VALORANT部門の再建と選手の挑戦に焦点を当てたドキュメンタリーシリーズ「THE ART OF WAR」がスタートしました。チームとして成長していくプロセスを赤裸々に描いています。

 

SCARZ VALORANT部門の再建と挑戦を追ったドキュメンタリーシリーズ「THE ART OF WAR」。インタビュー映像などを通して、チームの裏側が赤裸々に描かれる。

SCARZ VALORANT部門の再建と挑戦を追ったドキュメンタリーシリーズ「THE ART OF WAR」。インタビュー映像などを通して、チームの裏側が赤裸々に描かれる。

「THE ART OF WAR」Teaser Movieの視聴はこちらから

 

――なぜそうしたコンテンツを作ろうと思ったのでしょうか。

 

横地:VALORANTの主な公式大会には、「VALORANT Challengers Japan(VCJ)」があります。2026年、SCARZ VALORANT部門はVCJのSplit1・Split2のどちらも予選敗退でした。ファンの熱狂を直接肌で感じる有観客のオフライン舞台からは、もう3年も遠ざかっています。世界的な舞台への挑戦ともなれば、さらに先の話です。

 

そのため、社内で「VALORANTから撤退するのか、あるいはもう1年やってみるのか」という議論が起こりました。結果的に、洞本さんの熱い思いもあって、継続することになりました。

 

洞本:結果が出なかったとき、競技部門をどうしていくかは当然考えます。ただ、続けるのであれば、単に次の勝利を目指すだけでは意味がありません。SCARZというチームの価値向上につながらなければならないと思いました。

 

横地:そこで、たとえ勝っても負けても、応援されるコンテンツは何だろうと考えたときに、VALORANT部門のコーチであるArtさんを軸にしたドキュメンタリーを撮るのがいいんじゃないかと思ったんです。

 

今まで、ファンの皆さんがチームや選手を応援できる場は大会だけだったので、チームが敗退したら、選手を見たり応援したりできる機会は他にありませんでした。

 

そこで、ドキュメンタリーでは、チームの裏側を撮影し、コーチや選手がどんなコミュニケーションを取って、どんなふうに試合に臨み、どんな生活を送っているのかを伝えます。そうすることで、チームや選手により愛着を持ってもらいたい。2026年5月に敗退し、6月頭に僕が企画を立てて、6月3週目には撮影をスタートしました。

 

――展開がとても速いですね。企画はもともと温めていたものだったのですか?

 

横地:なんとなくですが、どのタイトルのチームにもストーリーがあるので、長いスパンで深く密着できたら、絶対に面白いコンテンツができるだろうなと考えていました。2026年から、僕がプロデューサーとして企画を動かせる立場になったので、タイミング的にも実現できましたね。

 

コンテンツ企画制作部 プロデューサーの横地志亮氏。勝敗の先にあるチームや選手のストーリーを映像で届ける

コンテンツ企画制作部 プロデューサーの横地志亮氏。勝敗の先にあるチームや選手のストーリーを映像で届ける

 

――横地さんの仕事ぶりをそばで見ていて、その実行力をどのように感じていますか。

 

濱野 尚之(経営戦略室マネジャー兼コンテンツ企画制作部・以下、濱野):私は、経営層と現場をつなぐ役割を担っているのですが、その立場から見ても、彼は成長したなと感じます(笑)。もともと企画力はみんな一目置いてましたけれど、周りを巻き込むのが面倒なタイプでしたから。

 

選手は撮られ慣れていないし、中には嫌がる選手もいます。そのため、動画制作のチームは、雑談をして選手と仲良くなり、関係性をつくった上で撮影するようにしています。

 

撮影は早ければ朝8時からセッティングして10時から撮影を始め、遅ければ23時までずっと続きます。3~4台のカメラで撮り溜めた1週間分の映像をもとに、1本の動画にまとめているので、とんでもない労力がかかっているんですよね。

 

 

――現時点で、何か成果は得られていますか。

 

横地:この企画に、デバイスメーカーのSteelSeriesさんがスポンサーとしてついてくれたんです。「この数年結果が出ていなかったけど、ここから這い上がっていきたい」というSCARZの思いに共感していただきました。

 

洞本:企画段階で、まだ世に出ておらず、どのような反響があるかもわからない段階からスポンサーについていただくのは、かなり珍しいことです。

 

横地:早速、自分たちの思いが伝わったんだという、僕の中ではすごく大きな成果。まずはやって良かったなと思いましたね。このシリーズは、1年くらいは続けていきたいと思っています。

 

「自分たちの思いが伝わった」と手ごたえを語る横地氏

「自分たちの思いが伝わった」と手ごたえを語る横地氏

 

――この企画を通して、目標とすることは何ですか。

 

横地:超ざっくり言えば、SCARZがめっちゃ人気になることですね。数あるeスポーツチームの中でも、SCARZが一番真面目で熱血なチームだというイメージがつけばいいなと思っています。

 

他の人気チームはコンテンツクリエイターや動画配信者(ストリーマー)を通して知名度を上げていますが、SCARZはストリーマー頼みではなく、チームが成長していく「泥臭いストーリー」をしっかり見せて、そこを魅力に思ってもらいたいんです。再生数は、1年後には平均10万再生以上が出せるようになっていたいと考えています。

 

――SCARZの公式YouTubeチャンネルでは、SCARZのストリーマーであるストーム久保さんの「ぶっぱなしCROSSTALK」も人気ですよね。

 

横地:ストーム久保さんが、ゲーム業界からゲストを招いて本音をぶっ放してもらうトーク番組ですね。格闘ゲーム用語で、相手の隙を確認せずに強引に技を出すことを「ぶっぱなし(ぶっぱ)」と言うのですが、そこに「本音を語ってもらうこと」という意味を掛けています。

 

2025年8月にスタートしたのですが、反響がとても大きくて。それまでSCARZの動画で1万再生を超えるものはほとんどなかったんですが、今では平均3万再生以上。すでに13回目まで配信されています。

 

濱野:ファン拡大の活動に力を入れ始めたタイミングで成果が出て、その後のコンテンツ制作の起爆剤にもなったよね。

 

 

ファンの「好き」を、チーム全体への愛着へ。現場で育てる熱狂の循環


 

――動画を通じて選手やチームへの関心を深めてもらう一方で、ファンと直接つながる場も重要になります。ファンミやグッズ販売には、どのような思いで取り組んでいますか。

 

有馬 健斗(コンテンツ企画制作部・以下、有馬):僕は2024年にパルコからXENOZに異動してきて、2025年5月からファンミの企画制作に関わっているのですが、そこからファンと選手の接点を定期的に持っていきたいなという思いで、パルコでの経験も活かしつつ、オフラインイベントの開催や構造改善に取り組んでいます。

 

コンテンツ企画制作部の有馬健斗氏。ファンミの企画やオリジナルイラスト制作を通してファンとの絆を深める

コンテンツ企画制作部の有馬健斗氏。ファンミの企画やオリジナルイラスト制作を通してファンとの絆を深める

 

――その取り組みに至った背景について教えてください。

 

有馬:SCARZは6部門で構成されているのですが、Identity V(第五人格)部門は、2024年度のロースターで臨む最後の大会で惜しくも敗退してしまいました。正直、このまま何もしなければファンも離れていってしまうという危機感が僕の中にあったので、選手が入れ替わってしまう前に、当時の選手とファンが顔合わせできるような場をつくりたいと思って、Identity V部門のファンミを企画しました。

 

――どのような部分にこだわったのでしょうか。

 

有馬:ファンと選手の情緒をつなぐことができればいいなと思い、新しい試みとして、1年の旅の終わりをイメージするイラストを制作しました。Identity V部門には、一人ひとりの選手をキャラクター化してイラストに起こし、ファンは実写の選手とキャラクターの両方を応援する「コテキャ(固定キャラクター)」の文化があります。2025年5月のファンミでは、そのキャラクターを集めて1枚のイラストに仕上げ、それで色紙のようなグッズも制作しました。

 

選手が入れ替わったタイミングでは、今から勝ち上がっていくぞというところを意識できるように、「リスタート」というキャッチコピーで、キャラクターが戦闘服を着たイラストを作成しました。2026年はそれを受けて、リスタートの成果が出て、選手が輝いている様子を描いたイラストを制作しています。選手の成長やチームの変化をイラストなどで表現することで、共感したり、より応援しようと思ってもらえたりするきっかけになればいいなと思っています。

 

イベントの内容面でいうと、選手に直接言葉を届けられる時間を最大化したいなと思っています。せっかくその場に来ていただいたので、「いつも応援してます」といった言葉を直に伝えるという体験を、一人でも多くの人にしていただける設計にしています。あと、イベントを通して、選手の人となりや選手同士のつながりも見てもらえるようにすることで、チーム全体を好きになるきっかけにもなればと思っています。

 

2026年5月に開催されたIdentity V部門のファンミ。選手とファンが直接対話できる時間を重視して企画。来場者数は前年の3倍以上に拡大した

2026年5月に開催されたIdentity V部門のファンミ。選手とファンが直接対話できる時間を重視して企画。来場者数は前年の3倍以上に拡大した

 

――2025年5月から約1年が経った現在までに、どのような手ごたえがありましたか。

 

有馬:2025年5月時点でお客様は130人くらいでしたが、2026年5月は450人のお客様に来ていただき、来場者数は3倍以上になっています。グッズの収益も倍増しています。

 

洞本:2025年も、チームの戦績は決して満足いくものではありませんでした。けれど、ファンはそこで離れることなく、増えています。選手が入れ替わってもファンは離れていません。その理由は、選手個人を応援する「単推し」から、チーム全体を応援する「箱推し」へとつなげられたからではないかと思います。

 

ファンミに行くと常連ファンの方が喋りかけてくれるんですよ、オジサンの僕に(笑)。そういう交流をしていると、「じゃあ今度格闘ゲーム部門のSCARZも応援に行きます」と言って、別の部門のファンミに来てくれることもありました。

 

また、「オフィス開放デー」で、推しとは違う部門の選手と出会って、そこからファンになりましたみたいなこともあります。ファンの方と接する時間が増える中で、僕らの中の熱量が透けてきて、そこに共感いただいてる人もいるんじゃないかと感じています。

 

――社内の空気感にもチームにもいい変化が起こっているのですね。

 

濱野:2024年ごろまでは、イベントの開催も「型」が決まらずとても苦労しました。当時は、幕張メッセなどでの大きなイベントはありましたが、eスポーツチームが開くイベントはあまりなくて、家電量販店で超人気ストリーマーが来ても100人くらい集まれば上等、という状況でした。

 

でも、今では試行錯誤を積み重ね、「部門単位で何ができるか」「どの月にどれくらいの予算で何をできるか」という共通認識が社内で持てるようになり、だいぶ変わったなと思っています。

 

経営戦略室マネジャー兼コンテンツ企画制作部の濱野 尚之氏。企画の熱量をファンに届く体験へと形にする。経営と現場をつなぎ、次につながるイベント運営を支える

経営戦略室マネジャー兼コンテンツ企画制作部の濱野 尚之氏。企画の熱量をファンに届く体験へと形にする。経営と現場をつなぎ、次につながるイベント運営を支える

 

――2024年以前と現在とでは、どのような違いがあるのでしょうか。

 

濱野:経営陣がやりたいことと、実際に現場で実現できることに乖離があったのですが、現在は経営と現場が同じような認識を持って動けるようになっているなと感じます。僕は経営陣と現場のスタッフたちのちょうど中間にあたる年齢なので、現場がやりたいと思っていることを経営に伝えることで、経営と現場をつなげられるように意識しています。

 

熱量のある企画だからこそ、来てくださる方の期待を裏切らない形にしなければいけない。収支も含めて、次にも続けられるものにするのが自分の役割だと思っています。

 

有馬:僕は濱野さんから学ぶことが多いです。異動当初は、お客様のご要望やお問い合わせに対して、あくまでも最低限度の対応をすべきと思い対応しておりました。でも、今ではお客様の温度感を汲んでお問い合わせに応えたり、お客様の待ち時間やストレスに配慮したりということができるようになってきました。そこは、濱野さんのおかげで培われたと思いますね。

 

濱野:それは、大丸松坂屋百貨店での顧客対応経験が活きているのかもしれません。百貨店にはいろいろなお客様がいらっしゃいますが、良い商品を良い接客でお届けできれば、お店を好きになって、また足を運んでもらうことができます。それはSCARZのイベントでも同じです。

 

たとえ、SCARZに強い意見を投げかけてくる方であっても、その方はそれだけSCARZに強い感情を持っているということなので、その方の気持ちに寄り添ってコミュニケーションを取れば、熱烈なファンになっていただくことができるんです。社内の他のメンバーも同じように、一人ひとりファンを増やすためにどうすればいいかを考えることができるようになっているなと感じますね。

 

競技、コンテンツ、リアル接点をつなぎ、SCARZを応援され続けるIPへ


 

――これまでの取り組みを通して、会社全体としてはどのような成果を感じますか。

 

洞本:YouTubeチャンネルの登録者が増えたことは目に見える成果ですが、社員たちから「IP成長」という言葉が普通に出てくるようになったことは、良い変化だと思います。皆が「どうやったらファンを熱狂させられるんだ」「どうすればSCARZというブランドを育てられるんだ」という視点で考えるようになったことが、一番の成果かなと思います。

 

――最後に、SCARZ、そしてXENOZで、これから実現したいことをそれぞれ教えてください。

 

横地:eスポーツ業界に「面白い企画をつくる人がいる」と思ってもらえるようになりたいですね。「この企画は誰がつくったの?」「横地さんね。やっぱりそうだよね」と言われるような存在になりたいです。そのために、SCARZで面白いコンテンツをつくり続けたいと思っています。

 

有馬:SCARZを応援することが、eスポーツチームの中で一番楽しいと思ってもらいたいです。今から応援してくださる方が、いつか「自分は初期から応援していた」と古参ファンとして誇りに思えるようなチームにしていきたいですね。

 

濱野:メンバーが、それぞれの目的を持って働き続けられるようにしたいです。熱量のある企画をきちんと実現し、続けられる環境にしていくために、自分に何ができるかを考え、支えていきたいと思っています。

 

洞本: eスポーツ業界にはゲームが好きで入ってくる人がとても多いのですが、業界は本当に流れが速く、淘汰されていく企業やチームも多くあります。そうした中で、XENOZを、選手やファンの皆さんが「夢を安心して託せる場」にしたいですね。

 

経営陣と若手メンバーが一体となり、「SCARZ」というブランドを育て、熱狂の循環を生み出していく

経営陣と若手メンバーが一体となり、「SCARZ」というブランドを育て、熱狂の循環を生み出していく

PROFILE

  • 洞本 宗和

    洞本 宗和

    株式会社XENOZ 代表取締役社長

     

    1998年大丸入社。婦人服バイヤー、IT関係会社でのSE、百貨店本社でのデジタルマーケティング、上海現地法人でのNew Retail推進、JFRでのXR・Web3事業開発と、グループ各社を横断しながら、組織の新たな挑戦を形にし、事業として軌道に乗せていく役割を牽引。2025年9月より現職。eスポーツ事業の成長基盤づくりとIP価値の最大化に挑む。

  • 濱野 尚之

    濱野 尚之

    株式会社XENOZ 経営戦略室マネジャー兼コンテンツ企画制作部

     

    2017年大丸松坂屋百貨店入社。大丸東京店婦人靴売場などを経験したあと、J.フロントリテイリング財務戦略統括部資金財務政策を担当。公募で手を挙げ、2023年2月からXENOZ勤務。現在は経営戦略室で経営企画・財務・法務を担当している。

  • 横地 志亮

    横地 志亮

    株式会社XENOZ コンテンツ企画制作部 プロデューサー

     

    2019年XENOZ入社。草創期からのメンバー。かつてはグラフィックデザイン業務も担当していたが、現在はコンテンツ企画制作に専念している。2026年からプロデューサー。現在「THE ART OF WAR」、「もしうさのイタズラ電話」、「ぶっぱなしCROSSTALK」などを仕掛けている。

  • 有馬 健斗

    有馬 健斗

    株式会社XENOZ コンテンツ企画制作部

     

    2022年パルコ入社。名古屋PARCOで、キャラクターIPを中心とした展覧会やポップアップショップの誘致・運営企画を担当。公募で手をあげ、2024年9月からXENOZに勤務。チームグッズ全般の企画・制作のほか、オフラインイベントの企画制作全般にも取り組む。2026年9月よりパルコに帰任し、現在は、池袋パルコ営業課にて勤務。